【ジミヘン】Jimi Hendrix『Both Sides of the Sky』(2018)の全曲を紹介!既出音源、カバー元楽曲の紹介も。

【ジミヘン】Jimi Hendrix『Both Sides of the Sky』(2018)の全曲を紹介!既出音源、カバー元楽曲の紹介も。

はじめに

ジミヘンことJimi Hendrixが天国に旅立ってからもうすぐ半世紀という2018年に、何と収録曲13曲のうち10曲が未発表音源という新作?アルバム『Both Sides of the Sky』がリリースされました。

本記事ではこの記念すべきアルバムの収録曲を紹介していきます。

他の音源に収録されているバージョン、そしてカバー曲についてはカバー元のアーティストのバージョンについても紹介していきますので、ぜひぜひ聴き比べてみてください。

1.Mannish Boy

オリジナルは「シカゴ・ブルースの父」ことMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)の代表曲

ジミはザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスとしての活動を終えた後にビリー・コックス(ベース)、バディ・マイルス(ドラムス)とバンド・オブ・ジプシーズを結成することとなりますが、この音源はなんとバンド・オブ・ジプシーズ結成前のビリーとバディとの初のレコーディングセッションの模様が録音されたものとなります。

当時バンド活動について模索していたといわれるジミですが、このセッションで手応えをつかみ、バンド・オブ・ジプシーズの活動を決心した、という風に考えることもできますね。

・既出バージョンとの比較

実はこの「Mannish Boy」は1994年発表の企画盤「Blues」にも収録されています。

『Both Sides of the Sky』に収録されているバージョンと同日に録音された音源を用いていますが、こちらは複数テイクを切り貼りして編集したもの。

『Both Sides of the Sky』に収録のバージョンが切り貼りなしの一発テイクなのかは不明ですが、両者のバージョンの間では細かな違いが多くあるので、マニアは聴き比べてみて、違いを探ってみても楽しいでしょう。

・Muddy Watersのオリジナルバージョン

オリジナルであるMuddy Watersのバージョンは、スローテンポで展開される重厚でこってりなブルースナンバーです!

ジミの音楽性の基礎ともいえるブルース曲、こちらもしっかり堪能したいところ。

2.Lover Man

ライブ音源は数多く存在するジミのオリジナル楽曲ですが、本作収録のバージョンはバンド・オブ・ジプシーズとしての演奏を録音した唯一のスタジオ音源となる貴重なバージョンとなります。

ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス期の演奏と比べるとリズム隊の演奏がかなりタイトになっていると感じます。

・既出バージョンとの比較

比較用にエクスペリエンス期の演奏をどうぞ。こちらは『South Saturn Delta』収録のバージョン。(このバージョンでは曲名はHere He Comesとなっています。)

その他、『Jimi Hendrix Experience Unreleased & Rare Masters』、『VALLEYS OF NEPTUNE』にも収録されています。(自分の知っている限りでは。)

3.Here My Train a Comin’

数々のライブでも演奏されてきた、ジミの代表曲の一つと言ってもいいであろう本曲。

本作『Both Sides of the Sky』に収録されているテイクは1969年4月に収録されたもので、メンバーはノエル・レディング(ベース)、ミッチ・ミッチェル(ドラムス)という、エクスペリエンス編成での演奏となっています。

注目したいのは演奏された時期で、この時期はメンバーとの確執からエクスペリエンスが崩壊へと向かっていた時期に当たります。(実際エクスペリエンスは1969年6月に解散。)

その爆発寸前の空気感が本テイクにも現れている、といえるかもしれません。

・既出バージョンとの比較

本作に収録されているのはエクスペリエンスとしての演奏ですが、一方、バンド・オブ・ジプシーズとしての演奏もスタジオ音源として残っています。

両者の演奏を聴き比べてみると、ジミの精神状態の違いが浮かび上がってくるかもしれませんね。

4.Stepping Stone

ジミ生前最後のリリースとなったシングル「Izabella」のB面曲として収録されていた本曲。

『First Rays of the New Rising Sun』にも収録されており、編成もビリー・コックス(ベース)、バディ・マイルス(ドラムス)というジプシーズメンバーという点は共通だが、『First~』ではバックボーカル付き、本作『Both~』ではバックボーカルなしの三人編成という違いがあります。

また、『First~』収録版より半音上げての演奏となっているのも特徴。

・既出バージョンとの比較

既述の『First Rays of the New Rising Sun』収録版。

5.$20 Fine

オリジナルはロックの殿堂入りも果たしているStephen Stills(スティーヴン・スティルス)。

本テイクはジミとスティーブンのセッションから生まれており、ギターをジミ、リードボーカルとオルガンをスティーヴンが担当している。

・Stephen Stillsのオリジナルバージョン

残念ながら以下のYoutube投稿以外のオリジナルの音源が見つかりませんでした,,,。

公式な投稿ではなさそうなので、リンク先(Youtube)からご視聴ください。

CSN – 30 $ Dollar Fine (Stills’ Unreleased Song) 1969をYoutubeで視聴する

6.Power of Soul

69年のバンド・オブ・ジプシーズのフィルモア・イーストライブでも演奏された曲。

スタジオ音源では『Crash Landing』、そして『South Saturn Delta』にも収録されていますが、本作『Both~』では他のバージョンではカットされていたボーカルパートが加えられています。

・既出バージョンとの比較

こちらは『South Saturn Delta』収録のバージョン。

ボーカルパートの他、ギター音の太さに差があるように聴こえる(聴こえません?笑。Spotifyの音源で語るのもアレですが。)

7.Jungle

個人的に本作の目玉の一つかなと思っている曲。

聴いてみるとわかりますが、ベースはなく、鳴り響くのはジミのギターとバディ・マイルスのドラムだけ。

そう、この曲、まだ未完成の状態なんです。

1969年11月に録音されており、これから肉付けされていく予定であったと思われます。

もし完成の時を迎えていれば、どのようなアレンジになっていたのか。想像は膨らむばかりです。

8.Things I Used to Do

オリジナルはGuitar Slim(ギター・スリム)の同名曲。

そして、本作収録版の特徴は何より、「100万ドルのギタリスト」の異名を持つジョニー・ウィンター(Johnny Winter)とのセッション音源ということでしょう。

あまりにビッグなギタリスト同士(ジョニーはまだ1stアルバムをリリースする前でしたが)の、ギターを通してのコミュニケーション。たまらないものがありますね。

・Guitar Slimのオリジナルバージョン

ホーンとギターの絡み合いが心地良いGuitar Slimのオリジナルバージョン。

9.Georgia Blues

ボーカルをとっているのはサックス奏者のロニー・ヤングブラッド

このロニーとジミは、エクスペリエンス結成以前のまだジミが無名時代に、一時期バンドメイトだったという、いわば旧知の仲。

そして、この音源はエクスペリエンス末期の1969年3月に行われたセッションから。

エクスペリエンスが終焉に向かっていく中で、原点に立ち返りたいという思いからの旧友とのセッションだったのかも知れませんね。

・プレミアな既出バージョン

この「Georgia Blues」は本作が初出ではなく、『Martin Scorsese Presents』という企画物にも収録されています。

ただ、廃盤状態だった時期があったこともあり、CD・レコードはかなり値がついています。

参考にAmazonの商品情報を。

・CD

・レコード

ちょっと気軽に手を出せる値段じゃないですね 笑

音源自体はSpotifyにありましたので、モノにこだわらない方はこちらをどうぞ。

10.Sweet Angel

ジミの代表曲の一つに数えられる名バラード「Angel」の基となったテイク。

「Angel」自体が、ジミの死後に残された音源のドラムを差し替えて発表したという、要はジミが生前に完成させたわけではないという曲です。

そして、ジミが生前に残した「Angel」の基になる録音はいくつかあり、本作収録の「Sweet Angel」もその一つとなります。

本作収録のものはインスト版であり、ベースとヴィブラフォンもジミが演奏したもの。

11.Woodstock

オリジナルはJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)の同名曲。

本作に収録にされているバージョンは、#5の「$20 Fine」と同様にStephen Stills(スティーヴン・スティルス)とのセッションを録音したもの。

ギターの音がないのに驚くかもしれませんが、ジミはベースを担当しております。

ベースでも動きまくっているのはやはりジミといったところ。

・Joni Mitchellのオリジナルバージョン

オリジナルはJoni Mitchellがウッドストック・フェスティバルについて歌った曲。

余談ですが、ジョニのバージョンよりも、スティーヴンが在籍していたCrosby, Stills, Nash(クロスビー、スティルス、ナッシュ)のバージョンの方が先に世に出ています。

Crosby, Stills, Nash の結成はジョニの家でのカラオケ的なセッションがきっかけ、ジョニの元恋人はCrosby, Stills, Nashのグラハム・ナッシュということで、ジョニとCrosby, Stills, Nashは非常に強い関わりをもっていました。

ジミが関係ない話でしたね、すみません 笑

12.Send My Love to Linda

本曲、断片的な演奏は『Lifelines/Jimi Hendrix Story』に収録されていましたが、ほぼ本作が初出と言ってもいいでしょう。

演奏はジプシーズのメンバーで行われています。しかし、録音時期は1970年1月であり、ジプシーズの解散直前。

ジプシーズの寿命がもう少し続いていれば、この曲も完成版として世に出ていたかも知れませんね。

13.Cherokee Mist

録音時期は1968年5月。エクスペリエンスとしての全盛期に録音されたもの。

にも関わらず、ジミとミッチ・ミッチェルの二人で演奏されたものであり、ベースのノエル・レディングがいないのはケンカによるものと言われています。

ギター、シタール、ドラムスという構成ですが、印象的なシタールの音もジミが演奏したものです。

ちなみにタイトルにあるCherokeeとはインディアンのことを指しており、ジミのネイティブアメリカンのイメージを音にしたものと言われています。

 

いかがでしたか?

没後半世紀近く経って発表されたアルバムとは思えないほどの完成度、ジミの才能と影響力を改めて感じる一枚でした。

これからもジミの音源が発掘されるのか、もしくはこれで打ち止めとなるのか、非常に気になるところです。

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