The 1975の新作『A Brief Inquiry into Online Relationships』は20世紀のDNAに新たなエキスを注入した傑作アルバム。

The 1975の新作『A Brief Inquiry into Online Relationships』は20世紀のDNAに新たなエキスを注入した傑作アルバム。

イギリスはマンチェスター出身のバンド、The 1975が新作『A Brief Inquiry into Online Relationships』(邦題;ネット上の人間関係についての簡単な調査)をリリースしました。

(邦題つける必要なかっただろと個人的には思いますが…。前作もそうだったけど。)

ネット上の人間関係についての簡単な調査
THE 1975
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この作品は『The 1975 』(2013)『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It』 (2016)に続く彼ら3作目のスタジオアルバム。

この作品の制作を前にマシュー・ヒーリー(vo/gt)はヘロインなどへの依存から脱出するためにリハビリ施設での治療を受けており、これまでの作品とは異なる、クリーンでピュアな精神状態で作られたアルバムでもあります。

(ちなみにマシューの父Tim Healy、母Denise Welchはイギリスでは有名な俳優。既に離婚済み。)

 

そんな苦しみを経て発表された今作は、20世紀の古き佳きロックのエッセンスに、彼らの抜群のセンスとアイデアを注入したような、今後長く語り継がれるであろうことを確信させる出来となっています。

例えば「Love It If We Made It」では、Fleetwood Macを彷彿とさせるような洗練された煌びやかな美しさに、The 1975特有の力強い表現力がプラスされています。

(性差別や人種差別に対する信条的なメッセージを含んだ歌詞にも注目。)

 

そして、このアルバムのハイライトとなるのは、名曲として語り継がれるであろう最終曲「I Always Wanna Die (Sometimes)」

オアシスの「Champagne Supernova」やレディオヘッドの「No Surprises」などの90年代UKロックの名曲に比肩するような耳馴染みの良さと美しさをもった曲です。

 

その他の楽曲もフォーク調の曲あり、ジャズの要素あり、まるで映画音楽のような壮大な曲ありと、アレンジの幅も非常に広がっております。

そして多様なアレンジながらもアルバム一枚として一本の糸を通したようなつながりを感じます。(これ名盤の条件だと思ってます。)

 

このアルバムの素晴らしさを表現するのに他のバンドの名前を出してしまいましたが、伝えたいのは彼らThe 1975がこれまでのロックの世界観を吸収しながらも一歩未来に進めようとする、そんな精神がこのアルバムから感じられるということ。

20世紀に比べ、停滞気味と思われていたロック界にとって非常に意義ある一枚だと思いました。

こんな良作を世に出してくれたばかりなのに、すでに彼らは次のアルバム『Notes on a Conditional Form』(2019年6月リリース予定)の制作に着手しているとのこと。

脂が乗り切っている時期かと思われますので(今後さらに飛躍的な進化を遂げるかもしれませんが)、今後の活動も注視していく必要がありそうです。

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